出張で少し間が空いてしまいましたが、7MHzのアンテナの比較(DP, カーボン釣竿バーチカル)をしてみました。
まず、カーボン釣竿は、公称18mのものを何セクションか抜き取って10段として、全長12m程度で使っているものです(すみません、長いこともあって長さを測ったことがありません)。直接給電をすると、下から2段目から張りますので、カーボンの部分の長さは10.8mぐらいか?で、共振周波数は、7.16MHzあたりになりました。こちらにIC-705とAT-705を使っていったんチューニングをして、同軸をリグ(FTDX10)に繋ぎました。
グラウンド側は、銅線5m 5本ぐらいをラフに束にして、家のガルバ屋根に乗せてます。一応同調はエレメントの長さを反映してできているので、良しとします。
また、カーボン釣竿直接給電と、カーボン釣竿を使ってあげる銅線バーチカルを比べようと考えました。
銅線バーチカルは、カーボン釣竿の先端と給電点近くに、割り箸を使って30cmほど枝を出して、銅線と釣竿(カーボン)の離隔を取ることで、カーボン釣竿の影響を下げることを考えました。
こんな感じで、張り、できるだけチューナーを使わずに同調させたいので、長さを調整してワイアー長10.5mとして、おおよそ無調整で同調を取れるようにしました(ただしSWR1.9だったので、以下のテストでATUは作動させています)。
ただし、この張り方、風に弱く、午後になって海風が吹いてきて、竿とエレメントが風になびいて、隣の430の八木に絡みまくります。ということで、簡単に張れると思ったのですが、離隔を取ったりするのは無風でないと難しいです。
で、銅エレメントとカーボン釣竿の離隔がない場合、どのような影響があるのかと、エレメントをカーボン釣竿に軽く巻いたりしたりして、同調周波数の変化を見てみました。
すると、同調周波数が下がり、6.7MHzあたりになるとともに、SWR1.2程度とインピーダンスも変化をしました。さらに、風が吹くと、どうもカーボンのジョイント部のCが変化しているのか、さらに同調周波数がさがり、5.9MHzあたりまで下がることがあるとともに、非常に不安定となりました。カーボン竿に直接給電すると、これが7.16MHzとなり、安定しているのとは、かなり違った挙動です。
さて、同調についてはこのような状況、とわかった上で、隣に張ってあるDP(フルサイズ)との比較を行いました。比較は、7MHz のCWで運用している局を1秒以内のインターバルでアンテナを切り替えながら同じ受信機でCWの信号強度とノイズの信号強度を測るものです。
DPの給電点は、バーチカルの給電点(だいたい地上高4.5m程度?)より3m程度高いところですが、INV-V的な張り方になっていますので、平均的にはバーチカルの給電部と同じ高さにエレメントがある感じです。
まず、カーボン釣竿直接給電(Vertical)とDPの比較を近所の局(8N1789FM/1 葉山)との間のCWでのやり取り(7020kHz)を受信してやってみました。アンテナは1秒程度のインターバルまたは0.3秒ほどのインターバルで切り替えながら受信していますので、おおよそ包絡線を見れば、各アンテナによる信号強度の違いが判ると考えました。
ぱっと見、カーボン釣竿バーチカルの方が強い場合もあれば、逆の場合もあり、また同程度の場合もあるというように見えます。これは偏波のフェージングが見えているのでしょうかね?
もう少し注意して各時間の送信局がどちらか?を書いておけば、打ち上げ角との関係が考察できて、よかった?と思いましたが、後の祭り。。。
次に、もう少し遠くの局とのやり取りを見たい、ということで、8J6VLP/6 (熊本県天草市)とのやり取りをワッチしてみましたのが下記。
8J6VLP/6 は、実は-80dBm 以下でカーボン釣竿Verticalでは、ノイズで-82dBm程度振っているため、聴こえていません。
QSOはいわゆる599BK形式なので、呼んでいる方が繰り返し山になっている様子が見えていますが、こちらを見ると多くの場合、DPが数dB強いようです。
次に、カーボン釣竿直接給電でなく、カーボン釣竿で銅ワイアーのバーチカルを釣竿から28cmオフセットつけて上げた場合をDPと比べました。
同じ周波数でのやり取りを聞いてみましたが、カーボン直接給電とそれほど大きな違いはないように見えます。心なしか2~3dBほどDPとの信号強度の差は縮まったような気がしますが、気のせいレベルと思います。また、ノイズについては変化がないように見えます。
17:13:30 あたりまでは7007kHz,そのあとは7014kHz でのやり取りをワッチ。
いずれも少しVerticalの方が弱い、という結果でした。
・・と試験をしていたところ、例の「スットン」(カーボン釣竿のジョイントが外れて短くなってしまうこと)が起こってしまいましたので、実験終了しました。釣竿でワイアーを上げるときは、ほぼ鉛直に上げていることもあり、スットンが起きやすく注意が必要ですね。
というわけで、結果の超まとめ:
個人的には、ごく簡単に上げてQRVするときには、カーボン直接給電が簡単でよいかなと思いましたが、ノイズが多いため、可能なら同じ高さにカーボン釣竿をつかって軽いDPを上げる方が良いかなというのが正直な感想です。
銅ワイアをバーチカルで上げた場合にもノイズレベルが変わりませんでしたので、ノイズに関しては、アース側の影響が多そう。
今思い返すと、アースの条件を変えてノイズの変化を調べるべきだった。でもこのセッティング結構めんどくさいので、次回また機会があればということで。
もう少し見直すことでノイズが減少すれば、カーボン直接給電は良いアンテナとして使える可能性はあると思います。また、銅ワイアをオフセットつけて上げるのは、風に非常に弱いという大きな欠点があり、また、風などでカーボン釣竿にワイアーが近づいた場合その影響はかなり大きく同調は不安定になるため、多少のメリットがあるとしても、デメリットが多く、これは、ちょっと実用的ではないように思いました。カーボン釣竿直接給電の場合、そのようなジオメトリの変化があまりないのか、それほど風が吹いても不安定にはなりませんでしたので、それは給電経路のなかの釣竿ジョイントに入っているCの変化が少ないためかなあなどと思っています。
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