DVPloggerとは?
野外運用でコンテスト、SOTA、POTAなど、ログを皆さんどのように取っているでしょう?PCでログ取りはできますが、PCは重く、あまり電池も持ちませんので、手書きの人も多いかと思います。また、雨が降ったりする中で、荷物をシンプル・コンパクトにまとめるのは野外運用においては大事なことかと思います。
そのような運用をもっと楽しみたい!という方のために私 JK1DVP は、DVPloggerを開発しました。
手のひらサイズに収まるこのサイズに、コンテスト・SOTA・POTA運用に必要なログ機能・リグコントロール機能・CWキーイング機能などが全部入っています。また、DVPloggerにスマホなどのWifiでつなぐことで、コンテストやSOTA, POTAログのアップロードが簡単に行えます。
ログ機能
DVPloggerにキーボード・モバイルバッテリーを繋いで、PCを持ち出すことなく、どこでも運用ログを取ることができます。また、同時に3台の無線機と接続できますので、運用周波数・モードなどは間違う心配がありませんし、リアルタイムクロックが内蔵されていますので、時刻なども自動的に入力されます。また、接続したリグで自動的に相手局の信号強度を測定、記録します。また、ログは内蔵のmicroSDに記録され、失われることはありませんのと、各種設定などもsaveコマンドで記憶し、次回電源投入で自動的に復元されますので、都度設定に悩まず運用に集中することができます。
本品は低消費電力のため、20000mAh程度のモバイルバッテリー(少し大きめ)であれば、24h以上余裕をもって電源を入れっぱなしでの「連続運用」が可能です。10000mAh程度の場合は、24hはちょっと厳しいかなぐらいですが、休憩中は電源を落とすなどすればOKぐらいかなと。
リグコントロール機能
無線機を複数台DVPloggerに接続して、自在に切り替えて運用できます。ヘッドホン・マイクの切り替えがDVPloggerには内蔵されており、キーボードのキー1つで、リグを切り替えると、同時にヘッドホン・マイクも切り替えることができます。リグの切り替えと同期しているので、同時に複数の無線機を使った運用も簡単です。
リグ接続の設定は、リグの名前を入れるだけです。また、設定をカスタマイズして新しいリグを定義することも可能です。
CWキーイング機能
DVPloggerに繋いだキーボード・パドルを操作してCWを送信することが簡単にできます。現在送信している文字が画面で流れていますので、送信しながら訂正なども簡単です。メモリーキーヤー的な操作はもちろんできますし、キーイング機能はログと統合されていますので、コンテストナンバー、JCCナンバーなどログの情報を反映させマクロ送信も簡単です。よくあるコンテストログのようなCWキーイングモード切替でもCWを送信できますが、Shiftキーを押しながらキーボードを打鍵すると、直接リグをキーイングでき、パドルを繋がなくても自在にCWQSOが楽しめます。
ネットワーク機能
DVPloggerは、WiFiを装備しており、家の無線LANやスマホのテザリングを使ってインターネットに繋がります。クラスタのリアルタイムスポット情報を画面に表示、スポット情報をもとにリグの周波数をセット等簡単にできます。
また、DVPloggerでは、Webサーバーが動いており、DVPloggerにスマホやPCから接続することで、ログの吸出し、コンテストログの提出、POTA, SOTAのログアップロード(ADIF作成)、TurboHamlog用のCSVファイルの作成など、DVPloggerとスマホだけで行えます。
また、Webサーバーを通じて、DVPloggerを操作することもできます。各種設定などは、Webからの方が楽な感じ。Webからの運用画面も作ってみました。こちらはキーボードからの方が楽?な感じですが。キーボードを繋がなくても運用ができるかもしれない?、ぐらいにはなっています。
POTA機能
現在位置の近くのParkをスマホからDVPloggerにWiFiでつないで検索、ログの運用情報に自動反映できます。IC-705などを繋ぐとGPSの位置をDVPloggerが取り込み、現在位置に反映してくれますので、簡単に運用Parkを記録できます。また、ネットワーク機能で書いた通り、ADIFログをスマホからPOTAログ提出ページで簡単にアップロードできます。
SOTA機能
SOTAについても、近隣Summitの検索(距離・方位)と運用情報へのセットが簡単です。運用ログにSummit情報が反映されますので、ログの整理は簡単です。こちらも、ADIFで簡単にSOTAログが提出できます。
コンテスト機能
DVPloggerはもともと、野外運用などでガチにコンテスト運用をするために開発されました。小さな筐体にも関わらず、複数のリグを同時に接続し、SO2R運用が簡単にできます。また、クラスタ情報を自動反映するバンドマップが搭載されていますので、呼び周りも簡単。クラスタ情報で未QSOな局数を各バンド毎にサマリ表示。どのバンドで運用すべきかの把握に有用です。
運用システムはN1MM+に似たストレスフリーなものになっています。特にESMモード(Enter Sends Message)の運用は超楽です。スーパーチェックデータも簡単に登録、運用中に自動検索など。当然ですが、デュープチェック、マルチチェックなどは備わっています。運用コンテストは、JARLコンテスト、ローカルコンテスト、DXコンテストなど定義されており、コンテスト設定は、コンテスト名を入力するだけです。前回確定したQSOからの経過秒の表示は、ペース把握に有用です。
先のオール神奈川コンテストで野外コンテスト運用(県内電信電話オールバンドにエントリ。3.5MHz~1200MHzで運用をしました)した様子をYoutubeでご覧ください。
サテライト(衛星)運用機能
複数のリグに同時接続コントロールできることから、複数リグを送受で使うサテライト運用にも対応しました。(IC-9700等のサテライトモードにも対応)衛星の名前を入れれば、衛星軌道を計算し、リグの周波数を送受でコントロールできます。また、衛星の方位角・高度の表示、AOSなどの計算を行えます。衛星軌道データ(TLE)は、インターネットから自動取得更新します。
DVPlogger 2つのバージョン
昨年ハムフェアで頒布したDVPloggerから進化をして今年のハムフェアでは2つのバージョンの展示デモ・頒布を行います。
ミニ版
昨年ハムフェアで頒布した1.3" OLED 2画面をベースにしていますが、さらにコンパクトになり、パドルが接続できるようになりました。ケースには、スタンドが内蔵。
コネクターは、PC, モバイルバッテリー接続用のUSB-Cコネクタ、キーボード・リグ接続用のUSB-Aコネクタ。2系統のリグからのヘッドホン入力と切替後のイヤホンマイク端子。リグ接続用のCI-V, CATコネクタ各1。パドル端子・KEY端子2系統(2台のリグ接続)。F2A信号はKEY端子に出力されます。

ワイド版
昨年ハムフェアでいただいた声にCATインターフェースが足りないというものがありました。また、USBコネクターをキーボード接続だけでなく、リグ接続に使いたいという声もありました。一番多かったのが「画面が小さくて見えない」というものでした。これらの声にこたえるために開発したのがワイド版です。
画面は、2.4" OLED 2枚で、屋外でも大きな文字でよく見えます。これまでのUSB-Aコネクターに加えてキーボード接続用のUSB-Aコネクターを追加。それから、CAT端子を追加。それと、マイク端子を追加。ヘッドホン端子にスマホ用などのイヤホンマイクを接続した場合、このマイク端子はリグのマイク端子に接続して、ヘッドセットや、イヤホンマイクのマイクを利用できるようになっています。ワイド版の方は、F2Aのモールスなどは、こちらのマイク端子から出力され、また、今回、電話でのキーの読み上げ(フォネティックなども含め)する機能を実装してみました。これまでも、CWではキーボードだけで運用が可能でしたが、今回フォーンもキーボードだけで(マイクなし)運用が可能!?
また、ワイド版では、搭載メモリ(PSRAM)が増えたため、メモリに余裕が必要な機能(音声読み上げ、録音、モールス解読、1500局を超えるデュープチェック、スーパーパーシャル簡単登録など)については、こちらでの実装をしています。ミニ版でもできるだけ同じ機能が動作するようにしてみたのですが、メモリが不足し、安定性に欠けましたので、それらの機能を使う方はこちらがおすすめ、というかミニ版では安定性確保のためディフォルトでは動かないようにしています。ミニ版でもメモリ(PSRAM)を実装すればいいのですが、esp32モジュールの都合でそれなりに困難です。
DVPlogger使い方実例
いくつかの実例でDVPloggerの使い方をご説明します。(つくりかけ)
- IC-705 + DVPlogger シンプルにSOTA/POTA運用
- IC-705 + 1200MHz トランスバーター(ログ周波数変換)
- IC-9700, FT-DX10 DVPlogger 同時接続 SO2R コンテスト運用 6x2アンテナリレー制御
- QRPlabs QCX-mini + DVPlogger ミニマリストのコンテストステーション
- IC-705 2台同時接続 DVPloggerで周波数制御する 2台でのTX/RX Satellite 運用 RS-44
- JARLコンテストでのログ提出の流れ
- TurboHAMLOGへのCSVデータマージ
- コンテスト運用 (CW, Phone 音声読み上げ)の流れ
DVPlogger開発の経緯など
開発の動機、JK1DVPのコンテストでの活用の様子などを2024年のコンテスト講習会@立川でお話しさせていただきました。
こちらからご覧ください。
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